統合失調症が、ひとつの病気とされてから、その仕組みについては研究が続けられてきました。まず、死亡した
統合失調症患者の
脳が研究されました。
脳のどこかに異変がおこっていないかと、あらゆる
脳の部分がこまかく調べられました。その結果、海馬前・頭葉とそのまわりなどで、神経細胞の数が通常より少なかったり、並び方がくずれていたりすることが発見されました。
しかし、すべての
統合失調症患者の
脳が研究の対象になったわけではありません。こういった
脳組織に対しての研究は、だんだん行われなくなりました。その後は、
脳の機能を調べることに研究がついやされるようになっていきます。
1970年代になると、放射線技術が格段に進歩します。
脳というものを、輪切りにして撮影することが可能になったのです。コンピュータ断層撮影(CT)や、磁気共鳴画像(MRI)といった、
脳の画像解析装置です。この装置を利用して、
統合失調症患者の
脳の研究が進みました。
今までのところわかっているのは、
統合失調症患者の
脳は、対照群に比べ脳室が拡大していることです。脳室というのは、
脳の中心にあり、脳脊髄液という液体で満たされている空間になります。これは、
脳自体は小さくなっているということでもあります。また、側頭葉や前頭葉は小さいですし、大脳辺縁系の扁桃体や海馬が小さくなっています。
こういった事実が、
統合失調症の原因の手がかりになるのではないかと考えられています。