統合失調症になると、なぜ
妄想・幻覚がおきるのでしょうか。
わかりやすくするために、まず内科の病気である肺炎を考えてみましょう。肺炎では、痰、咳、発熱、呼吸困難などの症状があります。この症状のなかで、肺のダメージによるものは呼吸困難ぐらいです。痰、咳、発熱は、すべて肺に入った異物への防御や拒絶によるものです。つまり肺炎の症状のほとんどは、生体防御反応になるわけです。
統合失調症も、これと同じなのです。
妄想・幻覚といった症状は、自己防御反応といえます。精神や脳にダメージがあったときに、防御反応として
妄想・幻覚がおきると考えるといいかもしれません。
というのも、
妄想・幻覚という症状は、
統合失調症特有のものではないからです。神経症や躁うつ病といった精神障害でも、
妄想・幻覚はよくみられるものです。また、てんかん、神経内科、脳外科的疾患、老人性痴呆といったものにも、でも
妄想・幻覚があります。健常であっても、意識低下や薬物によって、
妄想・幻覚はいくらでも体験できます。
統合失調症患者は、
妄想・幻覚のような症状を、病気の本体ととらえがちです。
妄想・幻覚のような症状さえ改善できればよいと考えがちになってしまうわけです。
しかし発熱したからといって、解熱剤をむやみに使えばいいというものではありません。
統合失調症も、
妄想・幻覚だけに注目すべきではないのです。