統合失調症の原因には、
グルタミン酸仮説というものがあります。
ドーパミン神経の作用をおさえる抗精神病薬は、
統合失調症の症状である幻覚や妄想などの症状に効果があります。しかし、感情の平板化、意欲低下、引きこもりのような症状には、あまり効果がないのです。つまり、ドーパミン仮説では解明することのできない
統合失調症があることがわかりました。そこで、新しく
グルタミン酸仮説というものが、うまれたのです。
フェンサイクリジンやケタミンは、もともとは麻酔薬として開発されました。しかしこの薬を使用すると、妄想・幻覚ばかりか、感情の平板化、意欲低下、引きこもりのような症状も引き起こされます。ですから、フェンサイクリジンは、麻酔薬として使用することができなくなりました。
しかし、この効果を麻薬として利用するケースが続出しました。そして乱用者の症状は、
統合失調症の陽性症状・陰性症状をどちらも持っていたといいます。
このように
統合失調症と同じような状態になってしまうフェンサイクリジンには、ある特徴がありました。
グルタミン酸神経受容体をふさいで、神経活動をおさえてしまうのです。このため、
統合失調症の脳内では、
グルタミン酸神経の機能が低くなっていることが考えられました。
その後の研究により、
統合失調症と
グルタミン酸神経の関係がますますあきらかになってきました。現在では、
グルタミン酸仮説がドーパミン仮説にかわって、有力な仮説になっています。