統合失調症の原因として、
神経発達障害仮説があります。
脳のなかでは、神経細胞が死んだとき、グリア細胞が増えて掃除をする役目をはたします。しかし、
統合失調症の脳のなかでは、神経細胞が死んでも、グリア細胞が増えないのです。このようなことが、胎児のときに既におきていたのではないかと考えられているのです。
脳はまるで、バームクーヘンのような、層になった構造をしています。
統合失調症の前頭葉では、その層がうまくできていないことが判明しています。胎児の脳のなかでは、神経細胞が深層部で生まれ、その後表面へと移動します。これをマイグレーションといいます。この一連の動きがうまくいかないと、
統合失調症がおきるのではないかと考えられているのです。これが、
神経発達障害仮説です。
1995年に、マイグレーションがうまくいかなかったマウスには、リーリンというたんぱく遺伝子がないことが発見されました。リーリンは、マイグレーションに大切な物質です。さらなる研究で、
統合失調症の脳においても、リーリンの減少がみられました。
神経発達障害仮説では、次のように考えられています。
まずリーリンの減少のような、神経発達をさまたげることが胎児期に発生します。そして、脳の層における異常という状態がおこります。さらに、神経伝達物質の異常・思春期の性成熟などがおこると、
統合失調症がおこるということです。